従来のクラウドライブストリーミング
従来のビデオストリーミングは、クラウド上のメディアサーバーを利用し映像を配信しています。 このモデルではストリームはメディアサーバーに送られ、サーバーからクライアントに中継されます。 ほとんどのメディアサーバーベースのライブストリーミングプロトコルは、HLS、DASH、RTMP、RTP/RSTPサーバーを使用しています。 メディアサーバーはクライアント要件に基づいて、移動中のソースからストリームをトランスコードしたり、あるいはそのままパススルーしたりします。
すべてのビデオデータはクラウドを通過するため、メディアサーバーベースのビデオ中継ストリーミングソリューションではスケーラビリティが大きな課題となります。 高品質のビデオストリーミングには高い帯域幅が必要です。 クライアント数増加に比例して帯域幅も増加しなければなりません。
従来のメディアサーバーベースストリーミングのデメリット:
- クラウド維持費が高い
- 高レイテンシー
- 広帯域幅の利用
- 1対1のライブストリーミングには適してはいない
- 双方向VoIPアプリケーション用に設計されていない
Peer to Peerストリーミングで上記問題を解決方法
メディアサーバーのアプローチの問題点を克服するため、新しい枠組みとしてPeer to Peer ネットワークが登場しました。 P2Pビデオストリーミングでは、データは中間のメディアサーバーに転送されるのではなく、直接宛先に送られます。 これにより中央サーバーを効果的に無くすことができ、ライブストリーム全体をP2Pネットワークだけで送信が可能となります。 しかしこのアーキテクチャでは、初期のハンドシェイクやシグナリングのためのクラウドサーバーが必要です。
しかし、ライブストリーミングの世界でP2Pネットワークを使用することは、標準化の欠如、レイテンシーの問題、独自ソフトウェアコストやその他多くの技術的な問題をあるため少し難しいかもしれません。 HLS、DASH、RTMP、RTP/RTSPなどのプロトコル備えたすばらしいP2Pライブストリーミングもありますが、克服しなければならない課題はまだまだたくさんあります。
そこでWebRTCが脚光を浴びるようになったのです。WebRTC対応の通信は、P2Pの最大の技術的課題の多くを解決しました。具体的には、プラグインなしで、ストリームに遅延を加えることなく、またユーザーエクスペリエンスを全く低下させることなく、P2P技術を使用することができます。
WebRTC:知っておくべきこと
WebRTCはマルチタスクに使用することができますが、Peer to Peer のリアルタイムのマルチメディア通信が第一の利点です。他のPeer(対等の者)とのリアルタイム通信のために
- それぞれのPeerはお互いの場所を特定しなければならない
- コミュニケーション開始の受け入れ
- ファイアウォール保護をバイパス、そして
- すべてのマルチメディア通信を送信
ピアデバイス間のプロトコルやコーデック情報を交換するプロセスをWebRTCではシグナリングと呼び、ビデオストリーミングを開始します。
Peer to Peer 通信に関する最大の課題は、双方向マルチメディアデータ転送のため、他のデバイスとのネットワーク則絵っと接続の位置を特定し確立することです。 ユーザがWebアドレスを入力しサイトにアクセスをおこなうと、対応するサーバーにHTTPリクエストが送られHTML、CSS、JavaScript形式のWebページを提供することで応答します。
ファイアウォールとNATトラバーサル
ほとんどのユーザーは、職場や自宅のネットワークからインターネットにアクセスしているため、私たちのコンピュータは静的なパブリックIPアドレスが割り当てていません。 したがってネットワークトランスレータ(NAT)デバイスは、通常ファイアウォール内のプライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換します。
WebRTCが音声、映像データをPeerに送信するためには、STUN(Session Traversal Utilities for NAT)やTURN(Traversal Using Relays around NAT)サーバを経由してパブリックフェイスIPアドレスのリクエストを送信します。
STUNとTURNサーバー
NATは、外部で使用できないプライベートローカルネットワーク内で使用するIPアドレスをデバイスに提供します。 この問題を解決するため、STUNサーバーを使用しWebRTCがPeer通信するための接続を確立するのに、パブリックIPアドレスとNATのタイプを検出します。
STUNは予測不能なポートマッピングを持つような少ないケースを除き、ほとんどのNATでP2P接続をブリッジすることができます。 このような場合、2つのPeerは単に1対1で直接話すことができず、すべてのトラフィックはTURNサーバーに中継されます。 TURNは”Traversal Using Relay NAT”の頭文字をとったもので、パブリックアドレスを持っているため、Peerがファイアウォールやプロキシの背後であってもPeerから連絡を取ることができます。 従来のメディアサーバーベースのアーキテクチャと同様に、Peer間でのオーディオ/ビデオ/データストリーミングを中継、フォールバックとして使用することができます。
WebRTCのメリット
- 低価格
- オープンソース
- エンドツーエンドの暗号化
- 低遅延
- Peer to Peerストリーミング
- プラットフォームとデバイスに依存しない
- 高度な音声・映像クォリティ
- セキュアな音声・映像
- ネットワーク状況に適応
- クラウドの帯域幅コストを削減
主なWebRTCアプリケーション
当初、WebRTCは、単にブラウザをターゲットとしたVoIPプロトコル仕様に過ぎませんでしたが、今では広く使用されています。 ここでは、WebRTCを利用している主なアプリケーションについて紹介します。
- スマートホーム: スマートメールボックス、ビデオドアベルのような多くのスマートデバイスは、モバイルやWebアプリケーションなどを使用し来訪者や家族とのコミュニケーションを支援し、緊急性をともなうようなことも見逃すことがなくなります。
- ヘルスケア: ヘルスケア業界では、テレカンファレンス予約、臨床会議、患者のリモート診察、遠隔グループセラピーセッションなどでリアルタイム通信が普及しています。
- 産業向け: 管理者はリアルタイムの通して、さまざまな制御や、映像再生、記録などのオプションを利用し会社資産を監視することができます。
- eコマースとリテール: 販売前と販売後のサポートを必要とする多くのeコマースサイトと、販売後のサポートと仮想ショッピングを求めている顧客
- カスタマーサービス:Chatbotのライブビデオや、ビデオによるセンターへの問い合わせ、また販売前後のサポートを必要とする企業
WebRTCでVVDNができること
VVDNはこれまでに、スマートドアベル、IoTカメラ、スマートホーム、VoIPアプリケーションなど様々なプロジェクトにてWebRTCを使用し、1秒以下の遅延を実現した複数の双方向通信プロジェクトを設計・実装してきました。 これにより最高のユーザーエクスペリエンスを提供することができました。
VVDNは、SFU、MCU、MESHなどの異なるWebRTCアーキテクチャの経験があり、すべてのプラットホーム上での再利用可能なWebRTC SDKをコンパイル、カスタマイズしているため、OEMは次のメリットを得ることが出来ます。
- 容易、かつ迅速な展開
- 市場投入までの時間短縮
- 他に類を見ないユーザーエクスペリエンス
VVDNは、WebRTCを使用した360度ビデオカメラのライブストリーミングなど複数のカメラソリューションを設計、構築してきました。 カスタマイズした再利用可能なフレームワークとライブラリを多く保有、保管していることで、WebRTCベースのストリーミングソリューションを短時間で開発、統合することが可能です。
私たちのWebRTCの開発能力により、お客様はWebRTCを使用しクラス最高の結果を得ることができます。
- 高度な音声・映像クォリティ
- 安全、安定したマルチメディア通信
- ネットワーク状況に対応
詳細つきましては info@vvdntech.com までお問い合わせください。